スカートを穿いて暮らしたい
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8月のある日から、深夜限定で、ハーフパンツで出かけるようになった。僕は昔から成人男性のハーフパンツをカッコ悪いと感じている。見かけるたびにイヤな気分になって目をそらしてきた。
それぐらい嫌っていたのに、何があったのか。
掃除をしていたら高校時代に体育で穿いていたハーフパンツが出てきたのだ。それを見ると、裾が結構広い。
僕はスカートを穿いて出かけたくて仕方がない。でも男がスカートで外出することは社会的タブーとなっているので諦めている。でもこのハーフパンツなら、少しだけスカート外出の気分を味わえるのではないか。
そう思って穿いて出かけてみた。人に見られたくないので、深夜2時か3時に、人通りが少ない道を選んで歩いた。
足元から股に入ってくる風をそこそこ感じられて嬉しかった。スカートとはだいぶ違うが、長ズボンよりは近い。
スカートへの憧れからハーフパンツ外出の扉が開かれたのは面白いものだと思う。
とはいえ、やはり大の男のハーフパンツ姿はイヤだと感じる。目を背けたくなる感覚は変わらない。
だからこの先も、深夜の人気のない道以外に穿いていくつもりはない。コンビニに行くなどは考えられない。
もっとも、今はもう秋だ。穿くも穿かぬも来年以降の話になる。
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先日、ガウチョパンツというものを知った。裾が広めのズボンで、レディースファッションだ。足を閉じるとロングスカートのように見える。
それでもズボンなのだから、男性が穿いてもいいのではないか。そう思ってググってみると、メンズもあった。これはいい……。好みだ。
(画像出典 http://buyee.jp/yahoo/shopping/store/item/mensapparel_111120/mensapparel/1?lang=ja)
さらに調べると「袴パンツ」などというものもあった。カッコイイ……。こういうのを穿いて出かけたい。
(画像出典 http://buyee.jp/yahoo/shopping/store/item/albino_10141/albino/1)
でも今住んでいる郊外の街では目立ってしまう。僕は目立ちたくない。
都会に住めばいいのだろうか。僕は都内に行くたびに道の狭さに辟易して郊外に帰りたくなるのだが、郊外は僕に向いていない気がしている。
郊外というのは、サラリーマン家庭で構成されている街だ。サラリーマンというのは、自分を周囲に合わせられる人たちだ。そこからはみ出てしまうような人間は、郊外では異端者なのだ。
スカートを穿いて暮らしたい。それが難しければ、せめてそれに近いズボンを穿いて暮らしたい。でも目立ちたくはない。
標準から外れた格好をした場合、郊外なら目立つが都会なら目立たない。人が多くて一人ひとりの存在感が薄まるからだ。
また人混みの中にいると、自意識が弱まる感じがある。人間は情報量のかたまりなので、目の前に大量の他人がいると、脳がそれを処理することで精一杯になって、自分がどう見られているかと気にする余裕がなくなるのだ。
都会には自分が変だと思っている格好を上回る変な格好の人がいる。だから、ある程度は安心して好きな格好ができる。外国人も多いから、現代日本人の標準から外れた格好をしていることへの気後れも薄れる。
目立たずに済むとか、流行っているとか、モテるとか、そういう他人基準ではなく、自分がその格好をしていると幸せな気持ちになれる格好で暮らしていきたい。
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