山奥ニートは無理だけど
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山奥ニートというのが話題だ。山奥に住んでいるニートはみんな山奥ニートなのかもしれないが、この記事ではNPO法人共生舎の葉梨はじめさんと、その周辺に住む仲間たちと定義する。彼らは和歌山の山奥に住んでいる。
山奥ニートになる理由はいろいろあるだろうが、葉梨さんは元ひきこもりだそうだ。そこから山奥生活に飛び込んだ。
現代日本社会に適応できない僕には他人事ではない。
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僕は上記NPOにメールを送ったことがある。訪問したいが、いつなら都合がいいかと尋ねた。しかしいくら待っても返事は来なかった。迷惑メールフォルダにでも入ってしまったのかもしれない。
本当に行きたければ電話をかければいいのだが、メールの返事を待つうちに興味を失ってしまった。だから返事が来たとしても行かなかっただろう。
まず遠すぎる。「遠い」という感覚には個人差があるが、僕の場合は在来線で2時間ぐらいが限度だ。交通費は片道1500円ぐらいまで。自宅以外で寝たくないので、日帰りで済むところでないと嫌なのだ。
僕は親との同居に息苦しさを感じているが、同時に親から離れることへの不安も大きい。理想は実家近くの別の家に住むことなので、和歌山はあまりにも遠すぎる。
しかも共生舎は最寄り駅から車で1時間半もかかるという。僕は乗用車の閉塞感が苦手で、長時間乗るのは苦しい。バスなら少しはマシだが、都会とは事情が違う。都会ならどこで降りても人がいるが、山奥は違う。僕は人がいないところが怖いのだ(人と接するのが苦手なのに人がいないと怖い。この辺の感覚は微妙で難しい)。
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僕は健康に自信がない。近くに病院がないと不安になってしまう。あと山が迫っている場所にいると息苦しさを感じる。
虫も苦手。田舎では家の中でムカデが出るという。夜中に布団に入ってきて噛まれることもあるとか。ムカデの実物を見たことがないのでググってみたところ、あまりの気味悪さに悲鳴をあげそうになった。
カブトムシもセミも触ったことがない。カブトムシは頑張ればつつくことぐらいはできそうだが、セミは絶対に無理だ。
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葉梨さんはブログで獣を捕まえてから料理するまでを写真付きで紹介している。こんなことをやれる人がひきこもりだったなんてウソのようだ。僕もひきこもり系だが、別の人種のように思える。
イノシシやシカの肉も、調理済みであれば食べられるかもしれない。でも、それらの生肉を目にしなければならないような環境なら、僕にはきつい。
僕はスーパーで売られている魚や生肉を正視できない(切り身でも皮が付いているとダメ)。折込チラシのカニの写真に鳥肌が立ってしまう。
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車に長時間乗れず、山に囲まれると閉塞感を覚え、病院がないのが不安で、虫も苦手で、魚や生肉を正視できない。
悪い条件が重なりすぎている。行ってみなければわからないことではあるが、現時点では山奥生活に向いていないように思える。
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とはいえ、選択肢としては持っておきたい。何しろ月2万円で暮らせるのだ。社会不適応で働けない僕のような人間は、とにかく支出を減らさないといけない。
和歌山の山奥には、phaさんや、ひきこもり名人の勝山実さんも足を運ぶ。彼らが通うのは「共育学舎」で、葉梨さんたちの「共生舎」とは異なる。両者の距離は車で2時間ほどという。
場所は違えど、同じ和歌山の山奥に社会不適応者の居場所が2つある。そこには社会不適応界隈の先駆者が集う。
現時点での移住は無理でも、和歌山の山奥からは目をそらさないようにしたい。
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